強制執行の具体的内容

まず、強制執行認諾約款付き公正証書を発行します。公正証書に関しては、弁護士を立てた時点で既に発行していれば問題ありませんが、発行していない場合は、公証役場に在籍している公証人に1,700円を支払った上で発行をおこない、公正証書を強制執行認諾約款付きとし、強制執行をおこなえる効力を持たせます。その後、債務者に公証人から謄本を渡すことになるのですが、手数料として1,650円を請求されます。そして、判決が下っている場合は、判決の内容が記載された調停証書が裁判所から発行されます。判決が下っていない場合であっても、仮執行宣言があった場合は、宣言に基づいて仮の強制執行をおこなうことが可能です。その場合は裁判所に申立書と債務名義を添付し、収入印紙代金300円を支払うことにより、強制執行の効力が付与されます。加えて、債務名義の送達証明申請もおこなう必要があります。裁判所に送達の申請をおこない、証明書の発行が必要です。その際に収入印紙代150円が必要です。強制執行には、以上の強制執行認諾約款付き公正証書、強制執行をする旨が記載された調停証書、または仮執行宣言、債務名義の送達証明申請が必要となります。

その後、強制執行に移り、執行をおこなう対象物によって内容と経費が変わってきます。強制執行をおこなったにも関わらず、差し押さえるものがなく、経費の方が上回るということは避けたいものです。そのようなことを未然に防ぐべく、弁護士を立てるということは重要です。個人による債務者側の財産調査は難しいため、権限と知識を有する弁護士に依頼した上で強制執行をおこなった方が安心です。

訴訟に至った場合

弁護士を立てた上で、債権回収の交渉をおこなったにも関わらず、解決に至らなかった場合は訴訟を起こすことになります。訴訟に至るまで交渉が難航している場合は、単純に債務者が頑なに支払いに応じないケースか、債務者の支払い義務の有無を論点としている場合の二つのケースがあります。訴訟を起こすことにより、債権回収で発生した問題が一気に解決に近づきますが、デメリットもあります。デメリットは、やはり時間と手間がかかることです。裁判まで発展した場合は、月1回の頻度で裁判がおこなわれるため時間がかかり、加えて書類作成や出廷も必要です。そして、費用もかかります。

しかし、弁護士を立てている場合は、デメリットを軽減することができます。例えば、必要な書類は弁護士が用意し、出廷に関しても弁護士に一任することが可能です。費用についても、債権回収の場合、元々の費用が比較的安く、債務者に求める支払い金額100万円に対して1万円の経費、1000万円であっても5万円しか負担がありません。その際、弁護士に依頼する費用は別途必要です。ただし、債権回収ができなかった場合は、着手金だけで済み、裁判をおこなった上で債務者が支払いに応じた場合は、成功報酬を弁護士に支払わなければなりませんが、それでも手元に残る額は十分なものです。

保全処分とは

債権回収において、弁護士がおこなう業務の中で、保全処分と呼ばれる手続きがあります。保全処分は、訴訟に発展して勝訴した場合であっても、強制執行(差し押さえ)が不可能な状況が考えられる際におこなう措置です。保全処分自体は裁判官が疎明と呼ばれる状態、つまり、確信とまではいかなくとも、確かなようだという推測の状態で保全処分をおこなうことができ、比較的容易に決定が下ります。

保全処分に関して簡単に言えば、債権回収の場合は、債権者の金銭を回収する権利を守るために、裁判所が債務者に対しておこなう措置のことを指します。この中に、債務者に対しての仮差し押さえも含まれており、そのため、保全処分は債権回収において効果的であり、非常に重要な位置付けとされています。更に具体的に説明すると、弁護士は交渉の段階で、支払いに応じない場合、強制執行認諾約款付き公正証書と呼ばれる、公的に発行された、差し押さえをおこなう旨が記載された証書を発行し、債務者に提示しています。

しかし、相手が証書を見た際に、金品を換金する、第三者に金品を譲渡する、担保権を設定するといった、差し押さえを防ぐ行為に走ることもあります。そのようなことを防ぐため、早急に保全処分をおこなうことにより、確実に債務者から、債権回収をおこなえる確率が高まります。

弁護士の債権回収

契約を取り交わしたにも関わらず、相手が支払いに応じない場合は、弁護士を立てて債権回収をおこなう手段があります。当サイトでは弁護士がおこなう債権回収について紹介しています。

弁護士を立てる場合、交渉が決裂した場合がほとんどで、最終手段として弁護士を立て、交渉に臨みます。まず、支払いに応じなかった場合は、訴訟をおこなう旨の内容証明を債務者に送ります。内容証明とは、発送する手紙の原本とコピーしたものを郵便局に持ち込み、郵便局が、原本とコピーにいつ、どのような形式で送付したか記載をおこない、原本は相手側に送付し、コピーは郵便局に保管されるというものです。このような方法を採ることにより、債務者は手紙を受け取っていないと言い逃れができなくなります。

無事に相手が支払うことになった場合であっても、弁護士を立てるケースの場合、債務者が返済額をすぐに支払うことができない状況が多いです。その場合は、分割で支払いをおこなうということで交渉が成立することがありますが、万一支払いが滞ったときのために、強制執行認諾約款付き公正証書を発行します。この証書は分かりやすく言えば、法律の専門家の中から選ばれた、公証役場に在籍している公証人と呼ばれる人物が、支払いが滞った場合、自宅から金品の差し押さえをおこなうという旨の文書を作成し、原本は公証役場に保管し、内容証明と同じように、債務者が言い逃れできないような措置が取られます。

弁護士を立てた場合であっても、まずは上記のような流れで、交渉による解決を目指します。それでも相手が応じない場合、最終手段として訴訟をおこなう流れとなります。